『玄鳥』藤沢周平著
この週末、東京都民はなるべく家から出ないでね・・・と小池都知事からお達しがあったわけで、それじゃ家で本でも読もうということになる。
でも図書館だってお休みしてるしね。(ネットで予約、受け取ることはできるけれど、読みたい本が返却されなかったりする)
で、本棚をジーーっと眺めていたら、未読の単行本があった。
藤沢周平の単行本が3冊も。
いや、あることはずっと前から知っていた。
でも、なんとなく読まずにいた、藤沢周平、好きなのに。
その周りにある文庫本は何度も何度も読んだものばかり。なんでこの3冊だけ読まなかったんだろうか? よくわからん。
で、読んでみた。おもしろかった。
『玄鳥』とはツバメの異名。
内容が面白いのはある意味当たり前なんだけれど、うーん、なんというか、久しぶりにちゃんとした時代小説を読んだという気分。そして製本、装幀の立派さに感心。
これはあれだね、出版社が作者に対して敬意を表しているってことなんだよね、きっと。
あとの2冊のことはいずれまた。
なんかボケボケの写真でナンですが、クロス張り、箱付きでございます。
平成3(1991)年2月第1刷、この本は同年3月第2刷。
箱の「玄鳥」の文字の上方にある黒い鳥がツバメ。これは歌麿の「百千鳥」(東洋文庫蔵)から。歌麿の絵をこんなにちょっぴり、でもある意味贅沢に使って、渋くて格好いい装幀に仕上げています。
バブルの最後期に当たるこの時代、こういう装幀ができたわけです。
いまじゃ、クロス張りの装幀や箱付きの単行本なんてほとんど見かけない。
題字は谷澤美智子氏。文芸評論家の谷澤永一氏の奥様と思われる。