日和見日記

pig-pearl 一行紹介 2012年4月に武蔵野美術大学通信教育課程に入学、2018年3月卒業しました。日常生活のあれこれを記述しています。

『玄鳥』藤沢周平著

この週末、東京都民はなるべく家から出ないでね・・・と小池都知事からお達しがあったわけで、それじゃ家で本でも読もうということになる。

でも図書館だってお休みしてるしね。(ネットで予約、受け取ることはできるけれど、読みたい本が返却されなかったりする)

で、本棚をジーーっと眺めていたら、未読の単行本があった。

藤沢周平の単行本が3冊も。

いや、あることはずっと前から知っていた。

でも、なんとなく読まずにいた、藤沢周平、好きなのに。

その周りにある文庫本は何度も何度も読んだものばかり。なんでこの3冊だけ読まなかったんだろうか? よくわからん。

で、読んでみた。おもしろかった。

『玄鳥』とはツバメの異名。

内容が面白いのはある意味当たり前なんだけれど、うーん、なんというか、久しぶりにちゃんとした時代小説を読んだという気分。そして製本、装幀の立派さに感心。

これはあれだね、出版社が作者に対して敬意を表しているってことなんだよね、きっと。

あとの2冊のことはいずれまた。

 

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 なんかボケボケの写真でナンですが、クロス張り、箱付きでございます。

平成3(1991)年2月第1刷、この本は同年3月第2刷。

箱の「玄鳥」の文字の上方にある黒い鳥がツバメ。これは歌麿の「百千鳥」(東洋文庫蔵)から。歌麿の絵をこんなにちょっぴり、でもある意味贅沢に使って、渋くて格好いい装幀に仕上げています。

バブルの最後期に当たるこの時代、こういう装幀ができたわけです。

いまじゃ、クロス張りの装幀や箱付きの単行本なんてほとんど見かけない。

題字は谷澤美智子氏。文芸評論家の谷澤永一氏の奥様と思われる。