いつの間にか清左衛門の年を越していた・・・
藤沢周平の作品。
もう何回目かわからないほどこの作品を読んでいる。
藤沢周平の作品はどれも好きだが、数年おきに読みたくなるのは、「三屋清左衛門残日録」「蝉しぐれ」「よろずや平四郎活人剣」の三作。
たぶん一番のお気に入りは「よろずや平四郎活人剣」だと思うのだけれど。
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どれもテレビドラマ化されていて、観ている。
で、ドラマ化としてはNHKの「清左衛門残日録」(三屋清左衛門残日録)が一番好きかも。三屋清左衛門残日録はフジテレビでもドラマ化されているが、そちらはチラッと見ただけでもういいやと思ってしまった。
NHKの、仲代達矢演じる三屋清左衛門が良かったこともあるけれど、それ以上に脇役がとても充実していたように思う。
特に印象に残っているのは、清左衛門の幼なじみ、佐伯熊太(財津一郎)と大塚平八(河原崎長一郎)。
(ちなみにフジテレビでは、三屋清左衛門:北大路欣也、佐伯熊太:伊東四朗、大塚平八:笹野高史)
原作を読んでからドラマを見るとがっかりすることが多いのだけれど、コレは珍しく納得できるドラマだったように記憶している。
NHKでは1993年(平成5年)に「金曜時代劇」として全14話放映された。2003年、BSでも同作品を放映している。
私がみたのは2003年のほうだったと思う。
確か、最終話「早春の光」の最後のシーンは、中風で倒れた平八が必死にリハビリに取り組んでいる姿を見て清左衛門が胸を熱くする場面だった。
その放映後まもなく河原崎長一郎が亡くなったことを知った。そのせいか河原崎長一郎演じる平八のリハビリシーン(杖を頼りに必死に歩く姿)は忘れられないシーンとなった。
で、そんなこんなを思い出しつつ読んだのだけれど、ふと私はいつの間にか三屋清左衛門の年を越していると気付いた。
そのせいか、隠居し老境にさしかかった三屋清左衛門の心境が、初めて読んだころに比べると随分わかるようになったんじゃないか・・・と、思ったりしたのだった。