日和見日記

pig-pearl 一行紹介 2012年4月に武蔵野美術大学通信教育課程に入学、2018年3月卒業しました。日常生活のあれこれを記述しています。

東野圭吾の本を読む

学生の間は勉強すべきだろう、学費がもったいないじゃないか、とかなんとか考えないでわけではないけれど、基本的に怠け者の私は、ムサビの課題はもうまったくやる気がでないので最近はボーッとしているか、本を読んでいる。


この数年はやっぱり普通に読書という回数が減ったように思う。
それで宮部みゆきさんとか東野圭吾さんとか、以前はせっせと読んでいた作家の本をまとめて読み始めている。
6年近く離れていたら読んでない本がたんまり溜まっていた。
しばらくこれで楽しめるかもしれない。



このシリーズはあと一冊ある。

マスカレード・ナイト

マスカレード・ナイト


こちらは図書館で300人待ち。ゆっくり待ちます。


マスカレードといえば、私はコチラの本の方を先に思い浮かべた。


Amazonでは古本しか出ていなかったので、自宅の本を写メ。
この本に散りばめられた謎と美しい挿画。
この本のように美しい謎解きの小説を期待してしまった。


マスカレード・ホテル→マスカレード・イブの順で出版されている。
私はその辺りよくわからずに先にマスカレード・イブを読んだ。似たようなタイトルだから、登場人物は一緒かな、程度。
マスカレード・イブは連作短編で、マスカレード・ホテルを読んでなくても充分楽しめた。
それでマスカレード・ホテルも連作短編かと勝手に思い込んでいたら、こちらは長編だった。

で、感想。
マスカレード・イブは面白かった。
いかにも東野圭吾らしく、テンポの良い、切れの良い、単純に楽しめる本だった。
私は東野圭吾の短編が好きで、いつも感心しながら読んでいる。
短編って難しいのに、うまいなー、って。


しかし、何故か長編はいつも読み終わった後に首を傾げてしまう。
おもしろいし、しっかり考えて作られているのに、何故か釈然としない思いが残る。
今回のマスカレード・ホテルも同様だった。
私は、東野圭吾江戸川乱歩賞を取ったときから読んでいるから、癖がわかってしまうのか、長編の場合、犯人が途中でわかってしまうのだよ。
白夜行や殺人の門など、かなり早い段階で犯人とその動機もわかってしまって、その後を読むのが辛かったし。
おもしろくなかったわけではなく、なんというか、辛かったとしか言いようがない。


で、マスカレード・ホテルも、途中で、もしかしてこれが犯人か? と思ったらそうだった。
ここから先はネタバレになる(可能性大)のでまだ読んでいない人は読まない方が良いかも。


マスカレード・イブを先に読んではいけないのだと気付いた。
私は先に読んでいたのにも関わらず、犯人はわかったのに、動機がわからなかった。その辺りは東野圭吾のうまいところだろう。
動機がわかった時点で、マスカレード・イブがマスカレード・ホテルの後に出たのはこういうわけだったのか、と思ったわけです。
どちらを先に読んでも間違いではないのだけれど、なんつーか、困った事態になってしまった(私の中で・・・ですが)。
そして、動機が、これは無理があるなーと思ってしまった。
二人の主役、ホテルマンの山岸尚美と刑事の新田、この二人の魅力は十分出ているしかけあいもおもしろい。
殺人計画も斬新だった。
でもその斬新で残忍な殺人計画を遂行するにはあまりも動機が弱い(と私は感じた)。
溜息・・・。



さて、このマスカレード・ホテルが映画化されるという。
それはいいのだけれど、主演が木村拓哉長澤まさみ
何故この二人? 日本には他に俳優がいないのか?


いいけどさ、どうせ観ないから。
いや、別の俳優だったら観たいと思ったかもしれない。
具体的に誰とは思いつかないけれど。