宮部みゆきさんの杉村三郎シリーズ その2
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/06/20
- メディア: 単行本
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4月に『ペテロの葬列』を読んだ後予約したとき、予約人数150人だった。
以前の私ならそんなに待つなら買うわ、と思ったところだろうが、ま、待ってみるかという気分だった。
どれぐらいで届くんだろうと実験する気分でもあった。
予約したのはたぶん5月(もう忘れた)。今は9月だから約4ヶ月待ったことになる。
すっかり忘れていたが、先日ふと思い出し、何人待ちになったか検索してみようと思っていたところだった。
2016年発行だから一年以上遅れて読んだわけだ。
全4話。
初出は、『聖域』(「STORY BOX」2014年〜2015年)『希望荘』(「STORY BOX」2015年)『砂男』(「オール讀物」2015年)『二重身』(「STORY BOX」2015年〜2016年)。どれも月刊誌に掲載された。
・・・なんだけれど、それぞれの話は2010年〜2011年頃の設定。
超売れっ子の宮部氏だから、様々な依頼原稿と並行して書いていたのかもしれない。それで発表は少しずれたのかな、とかなんとか、どうでもよい推測もしてみた。
どれもなかなかハードというか、読むのが辛くなるような、切ないような話だった。宮部さんらしいキャラクターの登場とかあって、ふんふんと読んでいたのだけれど、そもそも設定に無理があるだろうという話もあった(どれとは書かないが)。
もちろん、そんな理不尽なとか、小憎らしい女だとか、こんな人間がいたら怖いとか、読んでいてついつい感情移入してしまうあたり、文章力はさすがだと思う。
杉村三郎シリーズはそもそもの設定に無理があり、それがある意味架空のお話しとしての面白さでもあるのだが、内容は時事ネタを扱っているから、ほんとに微妙な気分になる。
『ペテロの葬列』の最後で主人公杉村三郎の無理矢理な設定から解き放たれたので、そういう意味で少し期待したのだけれど、今度はなまじ「探偵」という職業に固定してしまったものだから、そこに持ち込まれる案件としてどうかな?という無理が出てきたように感じられる。
などと偉そうに書いてみたが、おもしろかったよ。