日和見日記

pig-pearl 一行紹介 2012年4月に武蔵野美術大学通信教育課程に入学、2018年3月卒業しました。日常生活のあれこれを記述しています。

教科書と参考図書を読んで思い出したこと

まだ、読んだだけで、レポートをどうするかは全然決まっていないのですが、思い出したことを少し。
以前、昔の農家の野良着を専門に採集して分析した本を読んだことがあります。
野良着は、農家の人の作業着ですから、日々消耗し、古いモノは雑巾になってやがて捨てられてしまいます。(いや、燃やすことで燃料として使用し、その灰をまたなにかに使ったかもしれない。最後の最後まで無駄にはしなかったでしょう)
日本中歩いてコツコツと集めたようですが、なにしろほとんど上記のような理由でなくなってしまい、採集は困難をきわめたようです。
それでもある程度数が揃ったので、一冊の本にまとめることができたようです。
私はその本を読んで、本当に感激しました。
その集めた作業着(ものによっては継ぎ接ぎだらけで破けていたりもする)を丁寧にほどいて、裁断、縫製のしかたを分析していたからです。
日本人の知恵というか、モノを無駄にしない精神が、その裁断と縫製ににじみ出ていました。
日本が貧しくモノがなかった時代(特に貧困にあえいでいた農村地域)には、そうせざるを得なかったということも感じられ、それも切なく、でもそんな生活の中で少しでも着やすく、また作業がしやすいように工夫して仕立てられていました。
和服(着物)自体がそもそも生地を無駄にしないように仕立てられています。着物として使った後に、様々に活用できるよう、裁断は最小限にしています。
日本にはそういう文化があったのだと、しみじみ感じられる本でした。