今野敏『精鋭』を読む
7月くらいからずっと今野敏の本を読んでいる。
『隠蔽捜査』のシリーズが好きでそちらは大分前に読み終わったが、最近になって、東京湾臨海署安積班シリーズ、確証シリーズ、警視庁捜査一課シリーズなどなどをガンガン読んだ。
なにしろ自粛生活で時間だけはありますので・・・。
で、『精鋭』
こちらは2014年1月〜9月まで朝日新聞夕刊に連載された作品。
大学出たての新米警察官が、地域課を振り出しに→機動隊→SATへと挑戦し、SATの隊員になるまでの成長物語。
特に目立つような特技があるわけでもない普通の青年が、成り行きとは言えSATに挑戦することになる。
これでだいじょうぶかいな? とハラハラさせられる主人公が見事SATの一員になるまでが、笑ってしまうような展開でありながらしかも感動的である。
警察小説ではあるけれど、事件モノではなく、警察内部の対立構図などという生臭いモノでもなく、ただひたすらに、訓練訓練の場面、そして青年の成長物語なのである。
なので、読後がとても爽やかで、最近では珍しい警察小説なのではなかろうか、などと思った。
似たようなモノで『教場』という小説があるけれど、そちらはまだ読んでいない。
ただ、テレビの『教場』をチラッとみたかぎりでは、『精鋭』とはずいぶん違うだろうことが想像できる。
ほんとにずいぶん久しぶりに爽やかな小説を読んだ気分なので、当分『教場』を読むことはないだろうな。