日和見日記

pig-pearl 一行紹介 2012年4月に武蔵野美術大学通信教育課程に入学、2018年3月卒業しました。日常生活のあれこれを記述しています。

今野敏『精鋭』を読む

 

7月くらいからずっと今野敏の本を読んでいる。

『隠蔽捜査』のシリーズが好きでそちらは大分前に読み終わったが、最近になって、東京湾臨海署安積班シリーズ、確証シリーズ、警視庁捜査一課シリーズなどなどをガンガン読んだ。

なにしろ自粛生活で時間だけはありますので・・・。

で、『精鋭』

こちらは2014年1月〜9月まで朝日新聞夕刊に連載された作品。

大学出たての新米警察官が、地域課を振り出しに→機動隊→SATへと挑戦し、SATの隊員になるまでの成長物語。

特に目立つような特技があるわけでもない普通の青年が、成り行きとは言えSATに挑戦することになる。

これでだいじょうぶかいな? とハラハラさせられる主人公が見事SATの一員になるまでが、笑ってしまうような展開でありながらしかも感動的である。

警察小説ではあるけれど、事件モノではなく、警察内部の対立構図などという生臭いモノでもなく、ただひたすらに、訓練訓練の場面、そして青年の成長物語なのである。

なので、読後がとても爽やかで、最近では珍しい警察小説なのではなかろうか、などと思った。

似たようなモノで『教場』という小説があるけれど、そちらはまだ読んでいない。

ただ、テレビの『教場』をチラッとみたかぎりでは、『精鋭』とはずいぶん違うだろうことが想像できる。

ほんとにずいぶん久しぶりに爽やかな小説を読んだ気分なので、当分『教場』を読むことはないだろうな。