『愛すべき娘たち』(よしながふみ著・白泉社)
『西洋骨董洋菓子店』(新書館)の、よしながふみの連作短編集。第一話〜最終話まで(そのうち第三話は前後編)どれもおもしろかった。一組の母娘を中心にその周囲の人間模様、というところでしょうか。
第三話がすごかった。ひゃ〜、こうなっちゃうの? と、驚き。こんなのあり? と最初は思ったけれど、なかなか他の人には思いつかないような結末で、よかったですね。
全体によくできているんだけど、欲を言わせてもらうと、最終話は、もうちょっと違う感じにしてほしかった。妙にまとめに入ったようで、それまでの先の読めないパターンがない。ちょっと残念。
一番好きだったのは第四話。泣けますね。まったく何故女の子は仲良し3人組、ってパターンになるんでしょう? 私もそうだった。それで、3人で、将来どういうことしたい、とか、結婚のこととか、まあ今思えば他愛のないことを真剣に話していたりしたわけですね。
この話の中で、最後に女の子が手紙を読みながら泣くんですけど、その時のセリフが好き。
- あの時話した ささやかな夢を かなえた亊のできた 友達が ちゃんと いてくれたんだ
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- 左・『愛すべき娘たち』 右・『西洋骨董洋菓子店』(1)
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