秋が近い
日本料理に「源平焼き」なる焼き物がある。
同じ素材を紅白に焼いたもので、源平の旗の色が紅白だったことからそう命名されているらしい。
実際は紅色にはなかなかできないので、茶色っぽくなることがほとんど。
白色の焼き物は塩焼きで、紅色はたれを付けて焼いたものだと考えればわかりやすいかも。あるいは白味噌と赤味噌を使った焼き物、とか。
和食って、こういう何かになぞらえた料理名が多いし、料理名からだけではなんのことかわからないものも多い。(←教養があるかないかってことなのかもしれないが)
「公孫樹丸十」なんてなんのことやら、最初はちんぷんかんぷんだった。
公孫樹はいちょう、丸十はさつまいものこと。さつまいもをいちょうの形に切って(いちょう切りではなく、いちょうの葉の形に)、揚げたり煮たりする。
日本料理には「銀杏・ぎんなん」もあるので、料理名で客が混乱しないように「銀杏」の「いちょう」ではなく「公孫樹」の「いちょう」を使っているのかもしれない。(←私の勝手な想像)
砧巻も砧の形に似ているから…だそうだが、本来の砧ではなく、杵のほうの形をもじっている。でも砧巻。もうこうなると、その名前から、杵の形なんだと連想してね、みたいな…。
いろいろおもしろい。
料理人の洒落心なのか、ごく初期に、誰かがその料理をみて、そう命名したのか。
もう今となっては誰がそう命名したのかなんてわからない料理名がほとんどかも。
料理名の由来については、検索すれば出てくるが、命名者はわからない。
そういうことを調べてみるのもおもしろいだろうな、なんてチラッと思ったが、やはり私は食べる方が好き。
あまり深く考えずに、美味しくいただくことだけを考えよう。
まもなく食欲の秋、収穫の秋がやってくる。