『相続税が払えない 父・奥村土牛の素描を燃やしたわけ』奥村勝之著 を読む
奥村土牛の『醍醐』が好きだ。
桜の季節になると思い出す。
そんな奥村土牛は1990年に101歳でこの世を去った。
この本は遺族がその相続税を払うための艱難辛苦のあれこれ。
というか、主に7人兄弟の末っ子である著者の艱難辛苦が語られている。
相続税の過酷なことは知っていたが、芸術家の相続というのは生前から相当勉強しておかないとこういうことになるんだよという、なんとも辛い本だった。
きっとそうだろうと思っていたから、この本をなかなか読む気になれなかった。
やっと・・・という気分。
もっと前に読んでおくんだったなーとも思うし、今で良かったとも思う。
「作品とはなんなのか」をこの本を読んでいると考えさせられる。
そういう意味ではもっと前にと思った。それ以外にも現代の美術館の問題等、博物館学を学んでいた時にあれこれ考えていたことに対して参考になることがたくさんあった。
で、だからこそ読むのが今で良かったかもと思ったりもした。