日和見日記

pig-pearl 一行紹介 2012年4月に武蔵野美術大学通信教育課程に入学、2018年3月卒業しました。日常生活のあれこれを記述しています。

ミレイが素晴らしい!『リバプール国立美術館所蔵 英国の夢〜ラファエル前派展』於 Bunkamura ザ・ミュージアムhttp://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/15_raffaello/

久しぶりに絵画展を観に行った。
展覧会はジョン・エヴァレット・ミレイ《いにしえの夢─浅瀬を渡るイサンブラス卿》から始まった。《ブラック・ブランズウィッカーズの兵士》は圧巻のすばらしさだった。これを観ただけでも行った甲斐があった。他6作品。ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティは《シビラ・パルミフェラ》《パンドラ》の2作品。ウィリアム・ホルマン・ハントは《イタリア人の子ども(藁を編むトスカーナの少女)》のみ。
今回展示された作品のうち、上記3人以外は、厳密に言うとラファエル前派ではない。


入場してすぐの解説には「リバプール国立美術館のうち、ウォーカー・アート・ギャラリー、レディ・リーバ−・アート・ギャラリー、サドリー・ハウスの3施設が収蔵する作品で構成し、ラファエル前派に始まる英国美術の流れを紹介します」と出ていた。つまり「ラファエル前派を含むビクトリア朝絵画」あるいは「ラファエル前派とロマン主義」なのである。実際、会場で買ったカタログのタイトルは「Pre-Raphaelite and Romantic Painting from National Museums Liverpool」だった。なぜ、これを展覧会のタイトルにしなかったんだろうか。
確かにラファエル前派の作品とその影響を受けた画家、あるいはその流れを汲んだ作品がならんでいたわけだけれど、全65作品のうち、ラファエル前派の作品は9作品。7分の1じゃん。それで「ラファエル前派展」と言っちゃっていいのか?
なんてことをブイブイ言ってもしょうがない。高い経費をかけて作品を展示するのだから、日本で人気のあるミレイ、ロセッティ、ハントを前面に出したタイトルにして、集客効果を狙うのも無理はない。私にしても、今回このタイトルじゃなかったら、観に行ったかどうか、微妙なところ。


で、肝心の展示作品は、想像以上に良かった。ラファエル前派以外の作品もそれぞれ素晴らしかった。絵画展に行くとカタログをいつも買う。印刷だから実物と違うのは当たり前だし、今まで、それはそれ、これはこれと思っていたのだが、今回ほどカタログと実物の差を感じたことはなかった。