『邯鄲』櫻間右陣之會 於国立能楽堂
仕舞『遊行柳』『熊坂』、狂言『蝸牛』、休憩を挟んで仕舞『笠之段』そして能『邯鄲』というプログラムだった。
狂言は野村万作・萬斎親子。
夫と能舞台を鑑賞。自慢じゃないが、能舞台で能を鑑賞するのは初めて。
事前に『邯鄲』のあらすじを読むなど、にわか勉強していった。
しかし、たぶん寝るだろうと思ったら、やっぱり寝てしまった。
おもしろくなかったわけではなく(おもしろさがわかっているわけでもない)、どうも邦楽は寝てしまう。
以前、増上寺で雅楽を聴いたときも最前列で寝てしまった。
あの笛の音が眠気を誘う気がする。
笛の音が鳴るとあの世に連れて行かれそうな気がするのよ。幻想的な能舞台にはお似合いなんだろう。
鼓の音はなんとも心地よかった。
舞は…すみません、これが一番わからなかった。どうにもこうにも、日本舞踊にしても、なんにしても、あの摺り足、理解不能なのです。
良い悪いではなく、私には理解不能。これで勘弁して下さい。
ただ、いただいたリーフレットの最後、櫻間右陣さんの「御礼」のお言葉の中に「この『邯鄲男』の見る一炊の夢、五十年の春秋を、まどろみつつ、ひとときお楽しみ頂けましたら幸甚に存じます」とあった。私はまどろみつつ楽しめたのだから、それでよかったのかもしれない、と勝手に納得している。ということで、演劇史の成績が悪いのは当たり前の私です。
仕舞も能もチンプンカンプンの私だけれど、能装束など、衣裳は楽しみにしていた。
仕舞袴はじっくりと眺めた。能の大口袴も。手にとって見てみたいな〜。
舞よりも謡よりも、衣裳ばかり気にしていた。地謡の方たちの紋付き、袴も。
さすがに今回はしっかりとした衣裳だった。