龍の子太郎
松谷みよ子さんといえば、児童文学作家、そして「龍の子太郎」の作者。
「いない いない ばあ」とか、「モモちゃんシリーズ」は長男にも読んでやった。
でも、「龍の子太郎」は読んでやったことがない。
私自身が子どもの時に読んで、あまりに悲しくてそれ以来読めなかった。
イワナだっていまだに食べられない。龍になっちゃうかも…って、バカだと思うけれど、それくらい子供心にショックだった。
あれはお話しの世界のこと、とわかっていてもダメなモノはだめなんです。
お母さんが龍になったのは、お腹がすいて、食べてはいけないイワナを食べたから。
お腹がすいて、目の前にイワナがあったら誰でも食べるでしょう?
それなのにお母さんは龍になっちゃった。
もうショックでショックで…。
「龍の子太郎」は、1962年、国際アンデルセン賞優良賞を受賞した。
思えばアンデルセンも悲しい話が多い。「雪の女王」「マッチ売りの少女」「赤い靴」
どれも悲しい。もちろん、救いのある話も、楽しい話もあるんだけれど。
それでも、それらの悲しい物語は、外国の話だと割り切れたのか、二度と読めないというほどのショックはなかった。
いかに「龍の子太郎」で私がショックを受けたか…。
それで、実は「龍の子太郎」はその部分(イワナを食べて龍になった)しか覚えていなかった。
松谷さんの訃報を聞き、ネットで検索、あらすじを読んで、ああこういう話だったのかとやっとわかった。
それでもやはり悲しい気持ちは薄れない。
嫌いじゃないけれど、悲しくて読めない。
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