日和見日記

pig-pearl 一行紹介 2012年4月に武蔵野美術大学通信教育課程に入学、2018年3月卒業しました。日常生活のあれこれを記述しています。

ベンガラ格子の街

その町は広島県に近い山あい、海抜500メートルにある、岡山県の小さな町。成羽町吹屋。第一次大戦前まで銅山で栄えた町です。銅山で採れる硫化鉄鋼から偶然製造技法が発見されたベンガラで、ベンガラ御殿が何軒も建ちました。家々もベンガラで壁を塗ったりして、赤いきれいな町並みでした。しかし銅山閉山後は町並みもすっかり寂れてしまいました。が、1977年の今日、国の重要伝統的建造物郡保存地区に選定され、昔のような美しい町並みに整備されました。
「午後はおもいっきりテレビ」(日テレ)の中の「今日は何の日」のコーナーで初めて知った町です。日本にはこんな町もあったんだ、と。小さな町に立派なお屋敷が何軒もあって、それほど栄えて、でも保存地区に選定されなければ、そのまま歴史に埋もれてしまいそうな、美しくもちょっと切ない風景でした。
写真のバラは「スーブニール・ドゥ・アンネ・フランク」(於旧古河庭園