日和見日記

pig-pearl 一行紹介 2012年4月に武蔵野美術大学通信教育課程に入学、2018年3月卒業しました。日常生活のあれこれを記述しています。

白石一郎の『秘剣』を読む

 インフルエンザでも薬が効いている時は熱が下がっているので、本を読むことは出来る。

 この中の『秘剣』(原題:秘剣無流控)が良かった。しみじみと心に沁みてきた。さすが、白石一郎

初出は「講談倶楽部」1960年7月号。

 

父親によって不具者となった武士の屈辱と忍耐、決意とやがて訪れる暁光。

孤独な内なる戦いを終盤で一気に解き明かす。技を磨き、己が心を磨いた、武士の感動的な一篇となっている。

何度も何度も読み返してしまった。

 

隆慶一郎の『ぼうふらの剣』も良かったけれど、やっぱり私は白石一郎が一番良かった。